上越三市議会議員合同研修会
平成22年11月11日(木) 妙高市勤労者研修センター大研修室において上越地域三市議会議員の合同研修会が行われました。上越市、妙高市、糸魚川市の三つの市議会議員が合同で研修を行い、その後の意見交換会で交流を深めて政策的連携を図っていこうというものです。
今年は、妙高市議会の主催により、カマキリ博士で有名な酒井與喜夫氏を迎えて「自然災害に備えた未来観測」と題した講演を聴かせて頂きました。
元は、カマキリの生態から降雪量の予測を主に研究されていましたが、そこから発展して、地中の振動から自然現象を予測するところまで研究が進んでいるそうです。
過去の、災害を予測してきた事例などもお話しされ、非常に興味深い講演でした。
「もう、個人ではやっていられません、国でやらなければ駄目です。私はこれまで、どれだけお金を使ったか（笑）」
と笑ってお話しされていました。
酒井先生を簡単に紹介すると、
～ 講師プロフィール～ 株式会社イートラスト 特別顧間 酒 井 興喜夫 氏
○生まれ 昭和10年3月、新潟県長岡市(旧三島町)
○学 位 博士【工学】(国立長岡技術科学大学 平成9年6月)
○学位論文 「カマキリの卵嚢高さと最大積雪深との相関に関する実証的研究」
・学術・技術賞…日本雪工学会新潟地区会(平成8年度)
・第4回雪だるま大賞・文化賞…安塚町雪だるま財団(平成8年)
・日経サイエンス(アメリカ.サイエンス日本版)
創刊25周年記念論文賞・優秀賞…（株）日経サイエンス(平成9年)
・気象予測装置・米国特許取得(平成14年)
○著書 ・「『カマキリが高い所に産卵すると大雪』は本当か」(日経サイエンス)
・「自然界との交信・カマキリの予知能力に学ぶ」
平成13年9月号より１年間現代農業に連載 ( (社)農文協 )
・「カマキリは大雪を知っていた～大地からの“天気信号"を聴く～」
( (社)農文協 )
・「カマキリの雪予想」日本エッセイスト・クラブ編・文藝春秋
「06年度版ベスト・エッセイ集」にトップ・タイトルで入選。
09年文春観庫本として発売。
です。
上越市議会の方々と意見交換会でお話しをしましたが、「議会基本条例」の制定など、議員発議による条例の制定に取り組んでこられ、議会改革が進んできている状況などをお聞きしました。
糸魚川市議会と大きく違う点に、上越市議会議員は他に職業を持っていない方がほとんどだということがあります。これには議員報酬額が大きく関係しています。糸魚川市の約１．６倍の報酬額の上越市では専業であることが普通となっているようですし、糸魚川市では、議員報酬だけでは家庭のある生活は成り立たないので、他の収入のない方は議員として務まりにくいことになります。企業に勤め(経営を含めて)ながらか、農業をやっているかの方がほとんどで、議員専業でやっている方はごく少数で年齢が高いのもそのような事情によりますね。
「若い有能な方が市議会議員になるためには、議員報酬を・・・」という意見も、このあたりからでています。「市民が議会に何を求めているのか？」と合わせての議論が必要ですね。
まあ、どちらの議会においても、議員は、それぞれの状況の中で納得して立候補し、仕事をしているということなのですが、これからどのようにしていくかという議論は常に必要です。
「議会の役割」(何を求めるか、何処まで求めるか)とそれに応じた「定数」と「報酬」を合わせた議論でなければなりませんし、「議員は選挙で選ばれる」ということも忘れてはいけません。選挙のときは「地縁」「血縁」「縁故」で投票するなど普段の議員に対する評価と投票行為は直結させずにいながら、その後の活動については批判している方が多いのも矛盾を感じます。
選挙民の責任は重いはずです。一人一人の判断が糸魚川市の将来を左右します。
国政では、「一度、民主党にやらせてみた方がいい」と投票し、現状を憂えている方も多いのではないでしょうか。
議会に対して批判的な意見があることは承知していますが、再検証し議論できなければなりません。逆に言うと、批判的な意見はあって結構ですが、そのように思い込んでいるだけの方は議会に関わる議論の場にふさわしいのかどうか？ということです。
ちなみに、上越市議会の次回選挙では、定数４８名から３２名になるそうです。これまでの４８名が合併後の経過によるものであったとしても、２／３になるのは選挙の洗礼を受ける立場にとっては厳しい状況ですね。中心市街地在住の議員と、周辺部在住議員の見通しの違いが面白かったですね。
妙高市でも、来年の統一地方選挙において、２４名の定員を１８名に減じて、初めての統一選挙区での選挙になるということです。
任期４年の２年目後半に入った糸魚川市議会も、定数問題の議論を始めなければならない時期に来ています。
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