新幹線開業に伴う地域社会の課題とは
~豊かになるのか?不便になるのか?~
泉田新潟県知事が「移動知事室」で糸魚川市を訪れ、パネルディスカッションが行われました。コーディネーターは東洋大学教授の石井晴夫先生でした。
石井先生とは昨年の1月に大糸線・北陸線を守る会の後援会でお目に掛かり、懇親会も一緒にすごさせて頂いたのですが、今回のパネルディスカッションの2日前にお電話を頂戴し、この日、開会前にお目に掛かり色々話をさせて頂きました。
NHKの記者も先生を待ち構えて、色々とインタビューを受けていました。
たった一度のご縁なのに、先生から連絡を頂いて恐縮するばかりでしたが、とても気さくな先生で、この日初めてあった県の副局長さんともすぐに友達のようにお話しをされていました。
知事の開会の挨拶があり、パネルディスカッションが始まりました。まず、コーディネーターの石井先生が各パネリストの挨拶を兼ねた意見を求めます。
永野さんは元糸魚川高校保護者会の会長として、学生達の交通環境を整えることが地域に若者を定着させる元になるというお話しをされ、ご自分の父親から習ったこととして「その道を使う人の思いやりが大切」と相馬御風の春待記より「雪みち」の一節「交通道徳の最も良く守られている有様を見たい人は、雪国の真冬の雪道を歩いてみることだ。・・・・」を紹介されたのが印象的でした。
猪又さんは、地元JCの理事長として、観光の側面からJCの取り組み「糸魚川南蛮エビ」などを紹介し、世界ジオパーク認定を機に、新幹線開業に向けて県からも大きく発信してもらって大きな効果を上げたいと意気込みを語っていました。
大内さんは、経営分離された岩手県の並行在来線IGRいわて銀河鉄道の鉄道事業本部長として、先輩並行在来線の営業改革についてお話しされていました。特に印象的だったのは、「医療ライン」をつくり、アテンダントを配置し、郡部より都市部の病院に通うお年寄りに配慮した商品を売り出した話でした。
知事からは、我々の知らない情報を沢山保たれていることを感じさせる内容のお話しで、話せることも話せないこともある中で、これまで、県民に話せなかった内容のお話しをされていました。最後に「今日の課題が課題でなくなるようにしたい。新幹線開業を笑顔で迎えられるように」とおっしゃっていたのが印象的でした。
終了後の控え室では、知事も充実感を感じていたようだと聞きました。
石井先生は、日本全国の交通政策、現状と問題点を熟知されている中で、糸魚川市が保つ課題と可能性について、様々なお話しがありました。新幹線の駅勢圏は、普通の鉄道の駅勢圏の10倍であり、それは新幹線の「力」を意味するのだということ。上下一体方式、上下分離方式の違いをお話しされ、スタート時はなるべく身軽に、ということでした。
最後に「私たちは自らが色々な立場で関わっていかなければならない」と言われていました。
有意義なパネルディスカッションも終了し、ロビーで先生方の控え室での諸々が終わるのを待ちます。そこへ同級生のHちゃんが戻ってきて、
「知事を紹介して」
知事の役人時代の同僚と面識があり、知事にそのことをお願いしたいということでした。
別室の打合せが終わった知事に声を懸けたところ、気軽に応じて頂き、彼女の願いも叶いました。知事も気さくに接してくれて、有り難いことでした。
石井先生に
「ありがとうございました。ところで、この後ご予定はあるんですか?」
「いえ、もう、一人で食事して寝るだけです」
「え~っ、それはいけません、食事に行きませんか」
と、その場にいたHちゃんとN野さん、N本さんと5人で、食事に行きました。
素晴らしく楽しい時間でした。石井先生は、完全に糸魚川応援団になって頂いていました。
「ふるさと大使(仮称)になりますよ。学生に名刺を作らせて、全国でまきます」とまで。
この席に、市長、副市長を呼ばなくちゃと思う、糸魚川思いのお話しが盛り沢山でした。
ありがとうございました。
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