新幹線駅舎デザイン
新聞でも報道されましたが、北陸新幹線・糸魚川駅舎のデザイン案が3通りの案で示されました。鉄道運輸機構(正式には「独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構」)鉄道建設本部北陸新幹線第二建設局(富山市にあります)局長から糸魚川市長に提案されたものです。
提案書の内容は、次の通りです。
◆A案
“日本海、北アルプス、ヒスイをシンボルとして” “糸魚川ジオパーク"
-地域の伝統と新しい街づくりの融合を感じさせる駅-
・糸魚川の伝統的な街並みである雁木通りを現代風にアレンジし、地域の発展性をイメージしたデザインとしています。
・地層の重なりをイメージした壁面によつてジオパークの多様性を表現しています。
・壁面の白は、日本海の波と北アルプスの雪を表わし、透明感のあるガラス窓によって日本海と北アルプスの眺望を可能なものとしています。
◆B案
“日本海、北アルプス、ヒスイをシンボルとして” “糸魚川ジオパーク"
-大地の歴史、大地の鼓動を感じさせる駅-
・世界に誇る糸魚川ジオパークとフォッサマグナをイメージしたデザインとしています。
・大きな斜めのラインは北アルプスの稜線を、中央はフォッサマグナをイメージした新たな大地を、両サイドは地層の重なりを表現しています。
・窓の配列の変化は日本海の波を表現し、透明感のあるガラス窓によって、日本海と北アルプスが一望できます。
◆C案
“日本海、北アルプス、ヒスイをシンボルとして” “糸魚川ジオパーク"
-日本海と北アルプスに抱かれた、雄大な自然を感じさせる駅-
・日本海の波、北アルプス、ジオパークの断層、ヒスイをイメージしたデザインとしています。
・大地をイメージした壁面にストライプをダイナミックに配し、ジオパークの地層とヒスイを表現しています。
・ガラス面に濃淡の変化を持たせることで、日本海の波と北アルプスの稜線を表現すると共に、内部からの眺望に変化をもたらします。
どれもいいデザインだと思います。個人の好みでは色々あるでしょうが、新幹線開通後のまちづくりと連動して考えることが重要ですね。
現在の在来線駅に新幹線駅を併設する糸魚川は、これを契機とした全く新しいまちづくりをするわけではないので、現在の街並みをどのように変化させていくことが出来るのかも含めてデザインに繋げなければなりません。難しいことですね。
今月半ばに、「世界ジオパーク認定と新幹線開通後の課題を中心としたこれからの糸魚川市を考える」をテーマに、交通問題を中心としたライフライン全般、それと絡めた地域振興に詳しい東洋大学教授の石井晴夫先生のところにお邪魔し勉強してきます。石井先生は、2度にわたって糸魚川市を訪れ、「糸魚川のために力を尽くしますよ」とおっしゃって頂いています。
翌日は、石井先生のアドバイスにより長野県佐久市を訪問し、新幹線開通前後のまちづくりについて視察します。「佐久平」駅は、並行在来線「しなの鉄道」とは離れた場所に新幹線駅を建設し、新しいまちづくりを行っています。しかし、小海線と交差し、小海線の活用を含めた活発な動きがあるそうです。大糸線の活用にもつながり、開通前後の物語があるということで、楽しみにしています。
小海線(こうみせん)は、山梨県北杜市の小淵沢駅から長野県小諸市の小諸駅までを結ぶ東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線(地方交通線)で、「八ヶ岳高原線」の愛称が付けられています。
世界ジオパーク認定を糸魚川市振興の最後のチャンスと捉え、新幹線開通を転機として発展をしていくためには、官は官、民は民の立場で出来ることを、密接に連携しながら行っていかなければなりませんね。「ワンストップサービス」を行うためには、まだまだ連携が不足しているように思います。
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