三条市~宮城県仙台市~三陸~福島県南相馬市とぎっしりの日程の政務調査に行って
きました。
余りに内容が多すぎて、どこからまとめたらいいかという感じです。
1.三条市 上水道汚泥と瓦礫の試験焼却状況
2.仙台市・三陸 国交省東北地方整備局で説明を受けて、図の行程で瓦礫処理施設、
港湾の復興状況、防潮堤の建設現場、奇跡的に生徒が助かった中浜小学校などの
現地で説明を受けました。
3.福島県南相馬市 被災、復興状況を視察しました。南相馬市役所で担当の方の説明
を受けて、現地を廻りました。
三条市では、糸魚川市長が受け入れの方針を明らかにした上水道汚泥発生元の状況
を視察しました。また、大槌町の震災瓦礫の受け入れを表明し、試験焼却を行った結果に
ついても確認してきています。
上水道汚泥の管理状況です。しっかり管理されていて、搬出前に再検査をします。
上水道汚泥のセメント製造での処理の安全性については、先般書き込んだとおりですが、
理論通りの安全性を確保するための周到な準備と計画がなされ、実行されます。そして、そ
れを市民に情報公開して不安を払拭して、安心な状態を保たなければなりません。
受け入れ会社の2セメント工場も、万全の体制で安全確保をすると表明していますし、発
生元の管理状況から、運搬、受け入れ、処理の各段階での市民の懸念とそれに対する答
え等を整理して分かりやすく伝える必要があります。
先日の繰り返しになりますが、セメント工場での処理では、原料として使用するので一切
外に漏れることはありませんし、蓄積することもない安全な方法です。当然のこととして、万
全を尽くしての安全対策と情報公開が不可欠ではあります。
震災瓦礫の試験焼却の状況も確認してきました。周辺環境や焼却灰等に試験焼却前の
上回る数値は検出されておらず、安全性は確保されることが確認されたそうです。焼却場
の地元住民も最初の反対から協力する姿勢に変化してきているそうで、冷静な対応がされ
ているようです。
東日本大震災については、糸魚川市にいて報道で見ているだけでは分からないとつくづく
思い知りました。
仙台市では、国土交通省東北地方整備局で震災当時の緊迫した状況のお話を、画像や
動画を含めて臨場感あふれる説明をしていただきました。
その後、石巻港の瓦礫処理施設を見学。
なんと、スーパーゼネコンを含む9社の共同企業体で事業費は1400億円!
事業の大きさにも驚きですが、それだけ厳しい状況であることも伝わってきます。
次は、日和山公園から石巻市の状況を一望しました。
左が震災前、右が現在です。
次は、仙台塩釜港の見学です。
名取市閖上地区の住宅地盤を嵩上げする計画の地域です。写真の高さに盛土をして、
地域全体の地盤高を5m高くするそうで、サンプルの盛土高さが体験できる試験盛土が
公開されていました。
次は、名取市閖上(ゆりあげ)の防潮堤の嵩上げ現場です。建設関係者としては、是非
とも手がけたいと思わせる工事でした。
津波の教訓を活かした、様々な工夫が加えられた設計となっています。国土交通省の担
当事務所の方が冷たい風の吹く中、説明して下さいました。
ず~っと、防潮堤工事現場でした。
最後の中浜小学校は真っ暗になってしまいました。そんな中待っていてくれた山元町の
職員さんから説明を受けました。お二人とも、福島県、福岡市からの派遣の職員さんでし
た。
校長先生の機転と決断力で、生徒全員が助かったそうです。かなり厳しい判断だったで
しょう。
この日はここで視察終了です。南相馬市へ向かいました。
翌日は、南相馬市の視察です。糸魚川市から派遣されているO田さんも庁舎での説明、
現地視察に同行してくれました。
南相馬市では、農地は全て休耕中だそうです。基準が決まっていないために耕作できな
いそうで、試験耕作のみ行われていて、農地の汚染状況が作物にどのような影響が出るか
確認しなければ、再開できないそうで、草刈は地域で対応して行われているそうですが、悲
しい状況です。南相馬市は、瓦礫の処理も進んでいないため、津波の被害を受けて住宅も
そのままになっていて解体も進んでいないところが多いそうです。
平成24年4月16日に、警戒区域及び計画的避難区域を、避難指示解除準備区域、居
住制限区域及び帰還困難区域に見直しされたそうで、南相馬市の一番南側の小高区は、
現在「避難指示解除準備区域」になっています。
立入は自由ですが、住むことは出来ません。現在、本格復帰して住めるようにするため
の事業が行われています。除染やライフラインの復旧作業です。下水道処理場が被災し
ているために下水道が全く使えない状況だそうです。
南相馬市は、被災当初の避難先に糸魚川市も選ばれて、多くの方が青海生涯学習セン
ターに避難してこられました。現在も市内の住宅に残っているご家族もいます。
今回の政務調査は、被災地の現状を知ることと、日本全体のことを考えてどんな行動を
するべきかを考えさせられるものでした。
上水道、工業用水汚泥の処理問題、震災瓦礫の処理問題も、安全を確保しながらの日
本全体での取り組みが求められています。また、常に被災地のことを心のどこかに置きな
がら、日常を過ごすことが出来なければならないとも感じました。