◆臨時会
7月27日(月)、糸魚川市議会は臨時議会を開き、平成二十一年度糸魚川市一般会計補正予算と契約の締結の2件を審議し、いずれも可決しました。
ジオパーク関連整備
安全安心のまちづくり
子育て・教育環境整備
雇用対策・産業振興
環境対策
などに、
経済危機対策臨時交付金事業として 約6億9千3百万円
公共投資臨時交付金対象事業として 約3億千8百万円
緊急雇用創出事業として 約2千9百万円
その他追加補正予算として 約1億3千8百万円
合 計 11億7千9百万円
を計上しました。
経済危機対策臨時交付金事業の主なものとして
①シオパーク推進事業
②市内業者へのエコタクシー
(ハイブリッド車)購入費用の補助
③一般廃棄物最終処分場への緊急対策
④プレミアム商品券の発行
(総額5億円発行)
⑤住宅用火災警報器の設置補助
(1世帯2千円)
⑥小・中学校のデジタルテレビやパソコンの入替、
電子黒板の購入
⑦能生分署(消防)に高規格救急車が配備
等があります。
④のプレミアム商品券は発行額5億円に対するプレミア分5千万円の9割=4千5百万円と事務費百50万円を計上するもので、事業主体は商工会議所等になります。
この制度の執行に際しては、小売店舗経営者から私のところへ「プレミア商品券の現金化に時間が掛かり、資金運用が滞る」と苦情が寄せられています。
この点について私から質問し、適正な対応を要望したところ、商工会議所等において苦情について把握していて短いスパンで現金化できるように検討中ということでしたので、重ねて、随時現金化できるように要望しました。
◆全員協議会
臨時会終了後、議員全員協議会を開き、今月14日に開かれた糸魚川市議会の港湾交通対策特別委員会(野本信行委員長)で明らかになっていた、北陸新幹線の開業に伴う新糸魚川駅の事業費が、当初概算事業費を大幅に上回る内容で提示されたことについて、市側からの説明を受けた。
平成15年3月に示された簡易設計委託(都市計画決定用)段階の工事費は、15億5千万円でした。
ところが今年3月に報告された「糸魚川駅舎・自由通路基本設計業務委託」結果の工事費は45億3千万円と3倍にはね上がっていました。
(JR西日本コンサルタンツ=設計者)
(この設計内容でのJR西日本(=事業者)の試算はもっと高く、47億円だということです。)
市の負担は31億9千万円にのぼります。JR西日本コンサルタンツの提示による増額の要素としては、都市計画の変更や計画の具体化による対象工種の増加などが挙げられていますが、結果的に事業が膨れあがったことに対する後付けの言い訳のように聞こえます。
米田徹市長は「市としても信頼を裏切られた印象。この数字では納得できない。示された見直し案をみて検討したい」と述べ、JR西日本に事業費の削減を求めていて、8月初旬に見直し案が提示されることになっています。
糸魚川市の職員としては、JR西日本コンサルタンツは鉄道の専門家であるという安心感から、チャックを細かくせず、意思の疎通にも怠りがあったのではないかと思います。
概略設計の段階でも、根拠のある数字を出してくるのが当然で、基本設計ではそれを踏まえた設計をしなければなりません。打合せの上で、大きく工事費に影響のあるようなデザインや構造などが求めらられば、当然それ(工事費)を打合せの遡上に上げる必要があります。
また、市側としても、事業費を前提にした打合せをする必要があります。最大事業費の目安を提示した中で、構造・デザインなどを練っていく必要があったのです。ある議員の発言にもありましたが、「自分の家を建てるのに予算も考えずに設計を決める人はいない」のです。
専門家である概算設計をした設計業者が、それ(概略設計費)を全く念頭に置かずに基本設計に当たり、結論が出て始めて委託側(糸魚川市)に金額を提示するなどということは、市の職員も起こらないと思い込んでいたのでしょう。
今後は、事業費の圧縮(根本的な見直しも含め)と、財源の確保が課題となります。