平成22年8月20日(金)
栃尾最終処分場
桝形山最終処分場
クローズドシステムを採用している、2箇所の最終処分場を視察しました。
クローズドシステム処分場とは、埋立地の全体を屋根などで覆うことにより、降雨など自然環境からの影響を抑え、受け入れた廃棄物の環境負荷を低減するよう処理・貯蔵する施設です。粉塵や臭気の拡散がないので周辺のコミュニティとの調和が図りやすく、また、浸出水の減少に伴う水処理コストの低減、廃棄物の早期安定化などコントロールが可能で、多くの管理上のメリットがあります。
総工費は、10億6千6百万円余りです。計画段階でのオープンシステムとの事業費比較を質問したところ、コンサルタントの試算では、
オープンシステム 1億4千7百万円
クローズドシステム 1億2百万円
であり、クローズドシステムのほうが事業費が安く上がる見込みであることが分かりました。
これは、埋立地の上屋の工事費より、オープンシステムの水処理施設が大規模となるため高くなるとのことでした。
クローズドシステムは、外部からの水を、雨水も含めて一切の侵入を許しませんので、処分場内で循環させる水の処理だけで、1日13m3の処理能力で済みますが、オープンシステムは、降水量、浸入してくる地下水などによって大規模な施設が必要になります。
栃尾最終処分場は、クローズドシステムが国・県の補助対象となった初めての施設です。
南魚沼市の桝形山最終処分場は、日本で初めてクローズドシステムを採用した処分場です。栃尾最終処分場は国県の補助対象となった最初の施設ですが、桝形山最終処分場は補助を受けずに日本で最初にクローズドシステムを採用したわけです。
用地取得に10年を要し、住民理解のためにはクローズドシステムしかないとなり、帰って良い方向に行ったようです。補助金を受けられない中での決断は大変なことだったろうと推察できます。
当初の予算では13億余りの建設費でしたが、補助を受けられないために経費の削減を果たし、6億4千万円ほどで建設したそうです。建設の専門家の私が見る限り、構造的にも安く上げる工夫が色々ありました。
色々勉強になった視察でした。
コメント
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