糸魚川市・小谷村議会議員行政懇談会
恒例となっている小谷村議会との連絡協議会、行政懇談会が開催されました。
隣県であり、市と村の境を接する小谷村との行政課題を論じて、情報の共有、施策の連携を図ることは、これからも大切になってきます。ジオパーク認定と新幹線開通後の諸課題の対応についても、小谷村を初めとする長野県北部との連携が重要になります。
小谷村では、テレビ放送は新潟県の電波を受信しているそうで、生活圏は糸魚川市だとも言えます。合併しない選択をした小谷村は、議会議員も削減して10名の定員となっています。今回は9名の方が出席されました。この春選挙が行われ、10名中5名が新人となったそうです。
この日は、鳥獣による農作物被害という共通する話題について、糸魚川市大見地域在住の動物学者、野柴木先生に「野生動物の生態と農作物被害防止」と題して講演して頂きました。
昨年は木の実が豊作で、子熊が沢山生まれ、今年は不作で、その子熊が里に下りてきていることや、成獣と子連れの親子熊の行動形態の違いなどから、このところの目撃情報多発の関連など、興味ある話題が沢山ありました。
猪は、猪を積んだトラックが揺れて、10頭逃がしたところから、元々生息していないこの地域に猪が繁殖し、現在の被害に結びついているそうです。遺伝子を調べて、そのことが証明されているようですね。
野柴木先生は、環境省希少動植物種保存推進員、日本哺乳類学会員、農林水産省野生鳥獣被害対策アドバイザー、新潟県野生生物保護対策検討委員会委員、日本ホンドオコジョ研究会代表など沢山の役職を努めておられます。
続いて、青海自然史博物館を見学しました。糸魚川市の学芸員で、フォッサマグナミュージアム館長補佐の宮島さんに説明して貰いました。相手の反応を見ながらの手慣れた説明振りには、いつも感心させられます。青海自然史博物館はフォッサマグナミュージアムと比較しても専門的だそうで、なかなか興味を引く説明は難しいそうですが、皆さん、興味津々でした。小谷村の議員さんより、地元議員が先に立って説明を聞いていたのには笑えましたが。(笑)
続いて、天険を見学しました。親不知コミュニティロードで岸壁に掘られた「如砥如矢」(砥の如く矢の如し)を見ながら、明治時代に絶壁を切り開いて道路を作った歴史を振り返ります。
展望台からは、西を向けば綺麗な夕日が、東を向けば四世代道路が望めます。
四世代道路とは、
海岸線を歩いた時代
その後岸壁を切り開かれた道路(現在の県道など)
整備された国道8号線
北陸自動車道
の、四段階にわたり整備された道路です。
他にも、山の中を抜ける道路もあったようで、橋立金山への往来などに使われていたようです。秀吉が謙信と会談したという勝山城は、写真の中央のとんがった辺りにあったそうです。
明治天皇が行幸されたとされる道は、勝山城跡の近くを抜ける道だったようですね。
郷土が生んだ剣豪で後に禅の道に転じた小倉鉄樹翁の子ども時代に、明治天皇に随行してきた山岡鉄舟師と出会い、その後、東京の鉄舟師の元に押し掛け、門前に座り込んで弟子入りすることになったそうです。