新潟県内で蓄積された「上水道及び工業用水道から生じる汚泥」である、放射性物質を含む
汚泥処理は、上水道と工業用水道(新潟市など13水道事業体と県企業局)から生じる1キロ
あたり100ベクレル下の汚泥を市内のセメントエ場三社で受け入れ処理する計画です。
この日は、市長から「受け入れる」方針について説明がありました。
処理の方法としては、埋立かセメント原材料としての利用があります。
新潟県内にはセメント工場が糸魚川市にしかなく、検討されて来たものです。
社会の関心も高く、テレビカメラも数台は入り市民の傍聴者も多く駆けつけました。
セメント原材料としての処理は、焼却などと違って焼却灰のような残渣が残らず、セメント精
製中に発生する排煙中の煤塵(ばいじん)も回収されてセメント材料とされるため、放射性物
質が飛散することはありません。
また、持ち込まれた汚泥は、順次セメント製品として出荷されるため、糸魚川市内に蓄積
されることもないわけです。
事業主体は2セメント工場ですから、糸魚川市としては法的な要件を満足し、安全が確保
されれば、その方針を受け入れることになります。
大切なのは、
①安全確保を徹底して行うこと。
これは事業主体である2企業が徹底して行うことを表明している安全管理を、市が監視
機能を発揮して担保することによって確実なものとなります。
②市民の不安を払拭すること。
どうも、市民が不安を感じていることを前提にした説明が不足しています。
情報量の多い職員から見れば、「なにも不安要素はないのに・・・」ということになるかも
しれませんが、職員の常識は市民の常識ではありません。「がれきの処理」と「汚泥の処理」
の違いもはっきりしない認識のもとで、しっかり情報を整理して発生元の管理状況から運搬、
受け入れ、保管、処理の各課程において、それぞれの不安要素に対する対策状況と異常
時の対策などを明確に説明していく必要があります。
くどいようですが、「職員の常識は市民の常識ではない」ことをしっかり認識して、市民の
不安の払拭に努める必要があります。